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Client story(導入事例)

Eneco eMobility社、生成AIでカスタマーケアを強化

クライアント: Eneco eMobility
地域: 欧州
業界: エネルギートランジション・公益事業

EV充電サービスプロバイダー Eneco eMobililty社キャップジェミニとの協業を通じてDynamics 365 Contact Centerを導入し、エージェントの生産性と顧客体験を向上 


クライアントの課題: 急成長を遂げるEneco eMobililtyは、カスタマーサービス改善を喫緊の課題として、サービス向上・迅速化・コスト削減に有用なソリューションを模索していました。

ソリューション: 同社の担当チームはキャップジェミニと協業してMicrosoft Dynamics 365 Contact Center (生成AIを活用したCopilotファーストのクラウドコンタクトセンター )を導入し、顧客満足度・生産性・従業員体験を向上させました。

成果:

  • 顧客と従業員の満足度が向上
  • カスタマーケアエージェントの生産性が改善され、平均ラップアップ時間が50%短縮
  • 一定時間におけるケース処理数(スループット)が伸長
  • Copilotのアシスト機能習得に要するトレーニング時間が4時間からわずか1時間に短縮
  • ライセンス費用が2分の1に削減

Eneco eMobilityは、オランダとベルギーの「スマートEV充電サービス事業者」上位3社の1社で、顧客の電気自動車(以下、EV)への移行を10年以上にわたり支援してきました。急成長に伴いサポートするEV顧客数が増大する中、業務量や処理時間の需要増に対応しつつ、顧客と従業員の双方に心地よい体験を一貫して提供できるカスタマーケア業務の構築が喫緊の課題となっていました。

Eneco eMobilityのCTO、Maarten van der Beek氏は「多くの人たちがEVに移行しており、市場は急速に成長しています。これに応えて当社は、充電スポット利用者の増加に対応できるようにサービスを拡充していく必要があります」と言い、「こうした規模拡大の課題に対処するためには、ケース処理を支援・自動化・簡素化するツールをカスタマーケアエージェントに提供して効率を高め、コスト削減を図りながら、より多くの価値を提供し、より多くの処理件数に対応できるようにする必要がありました」と述べています。

生成AIで生産性と体験を向上

成長と改善の機会を特定したEneco eMobilityは、かねてより協業関係にあったキャップジェミニに助言を求めました。キャップジェミニのチームは、既存システム、プロセス、目標を精査した後、Eneco eMobilityが営業とマーケティングを合理化するために既に導入していたMicrosoft Dynamics 365プラットフォームの拡張を提案しました。具体的にはCopilotの生成AIソリューションの価値を活かすことにしたのです。

キャップジェミニのマネージング・ソリューション・アーキテクト、Peter Ruiterは「当社には、Eneco eMobilityへのMicrosoft Dynamics導入を成功させた実績がありました」と言い、「ですから、Eneco eMobilityが何を達成したいのかを聞いたとき、Microsoft Copilotこそ最適なソリューションだと思いました。前回の成功を活かすのは自然な流れですし、エージェントを強化し業務のやり方を変革することで、効率と品質を高めることができます。エージェントと顧客の両者がメリットを享受できる、最善の方法だと思いました」と述べています。

Maarten van der Beek氏(前出)は「キャップジェミニはCopilotプロジェクトの設計・実装・移行の各段階で、核となる技術的能力を提供してくれました。彼らの専門知識と技術力のおかげで、プロセスを円滑かつ迅速に進めることができました」と言い、「今回のプロジェクトに限らずキャップジェミニは、将来を見据えたビジネスアーキテクチャを形成する上で、これまでもそしてこれからも、信頼できる当社のパートナーです」と述べています。

Peter Ruiter(前出)は「今回のプロジェクトでは、エージェントにとっての受け入れ易さを優先しました。そのためEneco eMobilityのチームに伴走し、ひとつのチームとして反復型プロセスに取り組みました。開発・テスト・調整を繰り返すことで、Eneco eMobilityのニーズに合致したソリューションを作り上げたのです。こうしたオープンなコミュニケーションと、試し・批評し・調整していこうという意欲が中心的な役割を果たし、Eneco eMobilityのチームならびに両社のパートナーシップならでは独自の取り組みと成果をもたらしました」と言います。

小さく始めて、素早く拡大

プロジェクトは最も精通した少人数のエージェントがグループを組み、Copilotのさまざまな要素をひとつずつテスト・検証することからスタートしました。着想からちょうど5週間後、Eneco eMobilityとキャップジェミニは、いくつかのパイロットグループにMicrosoft Dynamics 365 Contact Centerを初めて導入しました。それ以降、カスタマーケア部門では、新規チームメンバーのトレーニングに必要な時間がわずか1時間に短縮され、コストも削減されました。

さらに重要なのは、このソリューションが従業員体験を一変させ、非常に短期間のうちにエージェントに受け入れられたことです。エージェントからは満足度が高まったという報告を受けています。Copilotが提供する該当する顧客関係管理(CRM)情報は、通話中の指針として役立ちます。またライブの会話要約を使えば、より迅速かつ容易に対応を完了できます。あるいはケースが該当するチームに引き継がれる場合にも、引き継いだチームは、進行中のケースの会話要約を参照して素早く背景を理解し、効果的なサービスを提供できます。Copilotはチャットサービスも備えており、特に難しい問い合わせに対しては、チャット機能を使って過去の解決例を参考にして回答することも可能です。

Maarten van der Beek氏(前出)は「Copilotではナレッジベースの関連記事に自動的にリンクされるので、より迅速かつ的確に顧客の要望に対応できます」と言い、「さらにケースの要約機能により顧客満足度を高めつつ平均ラップアップ時間が50%近く短縮され、カスタマーケアチーム内の効率が向上しました。これまでエージェントは顧客の話を聞いたり答えたりしながらさまざまな作業を行っていたのですが、いまは、お客様にもっと集中できるようになりました」と述べています。

ベルギーでMicrosoft Dynamics 365 Contact Centerの導入を成功させ、その効果を確認した両社は、現在、オランダにプロジェクトを展開しています。

キャップジェミニ・欧州のマイクロソフト・デジタル・カスタマーエクスペリエンス部門リーダー Paul Harrisonは「Copilotと生成AIは、単なる技術的実装に留まるものではありません。非常に広範なビジネストランスフォーメーションならびにテクノロジートランスフォーメーションの一環として、当社の顧客が新製品・新サービス、新たな収益と利益を創出するための手段を提供するものなのです」と締めくくりました。